- 1 海外旅行保険とは何か(基本のき)
- 2 なぜ必要か(日本人が直面しやすいリスク)
- 3 海外旅行保険のタイプと選び方(失敗しない指針)
- 4 申込み方法とタイミング(How to Buy)
- 5 徹底比較:日本で加入しやすい海外旅行保険プラン
- 6 エイチ・エス損保「たびとも」
- 7 損保ジャパン「新・海外旅行保険【off!】」
- 8 三井住友海上「ネットde保険@とらべる」
- 9 AIG損保「海外旅行保険」
- 10 セブ旅行の実務に効く特約と注意点
- 11 購入ステップ詳細(画面に沿って迷わない)
- 12 いざという時の対応(請求フローと連絡先)
- 13 ケース別おすすめ構成(例)
- 14 FAQ(日本人旅行者がよく聞く質問)
- 15 用語集(日英対応)
- 16 迷った時の意思決定フローチャート
- 17 印刷して使える持ち物・連絡先チェックリスト
- 18 まとめ(最終アドバイスと次のアクション)
海外旅行保険とは何か(基本のき)
海外旅行保険とは、海外旅行中に起こりうるさまざまな事故やトラブルによる損害を補償してくれる保険です。日本の健康保険は海外では使えないため、海外でのケガや病気の治療費、他人への賠償、持ち物の盗難など広くカバーします。保険期間は自宅を出発してから帰国するまでの旅行行程中であり、その間に生じた損害が補償対象になります。
保険の目的とカバー範囲
海外旅行保険で補償される主な項目は次のとおりです。
治療費用(医療費):旅行中のケガや病気の治療費、入院費、手術費、処方薬代など。高額になりがちな海外の医療費をカバーします。救急搬送費や往診費も含まれる場合があります。
救援者費用:旅行者が重病や遭難などで現地で救助が必要になった場合の費用です。日本から家族が駆けつけるための渡航費や宿泊費、捜索救助費用、遺体の搬送費なども含まれます。
賠償責任:旅行先で他人にケガを負わせたり他人の物を壊してしまった場合の法律上の損害賠償を補償します。例えばホテルの備品を破損したり、事故で現地の人に怪我をさせた場合などに対応します。
携行品損害:携行している手荷物や貴重品が盗難に遭ったり破損・紛失した場合の損害を補償します。ただしスマホやカメラなど高額な電子機器は対象外とされることもあり、保険金額の上限や1品あたりの上限、免責金額(自己負担額)が設定されています。
航空機遅延・欠航:搭乗予定のフライトが一定時間以上遅延したり欠航した場合に発生した宿泊費や食事代、タクシー代などの臨時費用を補償します。乗継便のミスや手荷物の遅延について補償されるプランもあります。
旅行取消・中断費用:旅行開始前の病気や怪我、身内の不幸などで急遽旅行をキャンセルした場合のキャンセル料や、旅行途中で帰国せざるを得なくなった場合の未使用分の旅行代金・追加帰国費用などを補償します(対応プランのみ)。
傷害死亡・後遺障害:旅行中の不慮の事故により死亡または重度の後遺障害が生じた場合に支払われる保険金です。旅行者本人の万一の保障として設定されます。
よく出る専門用語をやさしく解説
海外旅行保険のパンフレットや約款で目にする専門用語を簡単に説明します。
免責(自己負担):保険金を請求する際に、あらかじめ自己負担となる金額や条件のことです。たとえば「携行品損害 免責1件3,000円」とあれば、1件の事故につき3,000円は自己負担となり、それを超える分が支払われます。
キャッシュレス診療:保険会社と提携する病院で、現地での治療費を窓口で立て替えずに受診できるサービスです。保険会社が病院に直接支払いを行うため、現金やクレジットカードで高額な治療費を払わなくても済みます。24時間日本語で対応してくれる緊急アシスタンスデスクに連絡すると、キャッシュレス対象の病院を案内してもらえます。
特約(オプション):基本の補償に追加して契約できるオプションの補償です。危険なスポーツをカバーする「危険活動特約」や、レンタカー中の事故に備える「レンタカー特約」など、必要に応じて付加します。
既往症:契約前から被保険者が持っている病気やケガのことです。一般的な海外旅行保険では、持病や既往症が原因で発生した治療費は補償対象外ですが、保険会社によっては特定の条件下で補償対象とするものもあります。
保険期間:保険が有効となる期間のことです。開始日時は通常、日本を出発(自宅出発)する時点から設定します。終了時刻も日本に帰国するまでとなりますが、時差があるため現地時間での旅行終了日時もしっかり確認しましょう。出発日の何時から補償が開始されるか(多くは自宅出発時や空港出発時など)も約款で定められています。
なぜ必要か(日本人が直面しやすいリスク)
海外旅行保険が「念のため」ではなく必要と言われるのは、実際に多くのトラブルが起こり得るからです。特にセブ島旅行では日本人旅行者が遭遇しやすいケースとして、次のようなものが挙げられます。
セブ旅行で起こりやすいケース
マリンアクティビティでのケガ・耳鼻のトラブル:セブ島はダイビングやシュノーケリングが盛んですが、サンゴでの切り傷、耳抜き不良による耳の障害、中耳炎・副鼻腔炎、最悪の場合減圧症などのリスクがあります。海でのアクティビティ中の事故は自己責任と思われがちですが、治療費は高額になる可能性があるため備えが必要です。
食あたり・脱水・感染症:慣れない環境や現地の食事で食中毒になったり、水土壌の違いから腹痛を起こす旅行者も少なくありません。南国の暑さで脱水症状になることや、デング熱など現地の感染症にかかるケースも考えられます。病院で点滴治療を受けたり入院する事態に備えておくと安心です。
盗難(ビーチ・レストラン):観光客の財布やスマホが盗まれる被害はセブでも起こり得ます。ビーチで泳いでいる隙に荷物を盗まれたり、レストランで椅子の背にかけたバッグが盗難に遭うことがあります。警察への届け出やパスポート再発行費用など、盗難被害にも保険が役立ちます。
台風・フライト遅延・乗継ミス:フィリピンは台風の影響を受ける地域であり、フライトが遅延・欠航することがあります。特に雨季にはセブ発着の便が大幅に遅れるケースも報告されています。乗継便がある旅程では、最初の便の遅延で次の便に乗れなくなるリスクもあります(この場合、航空会社の補償対象外で自腹になることも)。旅行保険の航空機遅延補償があれば、臨時宿泊費や新たな航空券購入費の負担を軽減できます。
スマホ・カメラ・眼鏡の破損や紛失:マリンスポーツ中にスマートフォンやGoProを水没させてしまったり、移動中にカメラを落として壊す、アクティビティ中に眼鏡を失くす等のトラブルも起こりがちです。高価な電子機器の損害は保険で一定額まで補償されますし、生活必需品の眼鏡を旅行中に失うと不便なので、緊急購入費用を補償してもらえると助かります。
クレジットカード付帯だけで十分か
「クレジットカードに海外旅行保険が付いているから大丈夫では?」と思われる方も多いでしょう。確かにカード付帯保険は手軽で有用ですが、それだけで十分とは言えないポイントもあります。
典型的な不足ポイントは以下の通りです。
治療・救援費用の上限が低い:クレジットカード付帯保険では、ケガ・病気の治療費用の補償上限が数百万円程度に限られることが多く、高額な手術や搬送費用まで賄えない可能性があります。例えばアメリカでの入院治療では数千万円に達するケースもあり、上限額不足だと自己負担になってしまいます。
航空機遅延・携行品が対象外または条件が厳しい:多くのカード付帯保険では、フライト遅延や手荷物の遅延に対する補償が含まれていなかったり、携行品の補償額が低く免責額も大きめに設定されています。また盗難に遭っても現地警察の証明書提出が必要など、請求条件が厳しい場合もあります。
家族・同行者のカバーが限定的:カード会員本人以外(配偶者や子ども)は補償の対象外だったり、補償額が大幅に少なく設定されていることがあります。家族旅行の場合、家族全員が十分な補償を受けられない可能性があります。
カード付帯保険の確認方法と不足分の埋め方:まず、自分の持つクレジットカードの付帯保険内容を事前に確認しましょう。カード会社から送付される利用案内やウェブサイトで、補償項目と金額、適用条件(自動付帯か利用付帯か)を調べます。その上で不足を感じる補償があれば、保険会社の海外旅行保険に不足分だけを上乗せして契約することも可能です。例えばカードでは治療費用が300万円までなら、別途治療費無制限の保険に加入する、カードに無い携行品補償だけ追加契約するといった柔軟な対処ができます。
海外旅行保険のタイプと選び方(失敗しない指針)
保険を選ぶ際には、自分の旅行スタイルに合ったタイプの保険を選択し、必要な補償を過不足なく備えることが大切です。ここでは保険の種類と、目的別の選定基準、そして最低限これだけは押さえたいポイントを解説します。
タイプ
海外旅行保険にはいくつかの契約タイプがあります。それぞれの特徴を理解しておきましょう。
単発(短期)旅行保険:1回の旅行ごとに加入する保険です。観光や出張で海外に行く際、その旅程に合わせて契約します。旅行日数や行き先に応じて保険料が算出され、最も一般的な形態です。短期旅行者向け。
年間契約(複数回渡航):1年間有効で、期間中何度でも定められた日数内の旅行をカバーできる保険です。年に複数回海外に行く人向けで、いちいち都度加入する手間がありません。例えば「1年間で何度でも、1旅行最長90日まで有効」といったプランがあります。
長期滞在・留学向け:3ヶ月以上の長期渡航者向け保険です。留学やワーキングホリデー、海外赴任など、長期間海外に滞在する場合に対応したプランで、契約可能期間が最長1〜2年程度まで延長されています(保険会社によって上限日数は異なります)。
仕事兼用・駐在/海外医療:企業の海外駐在員やその家族向けの特別な保険、または現地の医療保険制度に代わる民間医療保険も存在します。通常の旅行保険とは別枠で用意されており、長期の現地医療費カバーや一時帰国時の保障など手厚い内容です(観光旅行向けではないですが、参考情報として)。
目的別の選定基準
自分に合った保険を選ぶために、以下のポイントを考慮しましょう。
価格と補償バランス:保険料は安いに越したことはありませんが、補償内容が不十分では本末転倒です。高額なプランほど補償額が充実しますが、予算とのバランスを見て決めましょう。「なるべく安く最低限を確保したい」か「多少高くても万全を期したい」かで選択が変わります。
旅行日数・渡航先の医療費水準:旅行期間が長いほどリスク機会も増えるため、手厚い補償が望まれます。また渡航先の医療費が高い国(例:アメリカやヨーロッパ)では高額の治療費用補償が必要です。一方、医療費が比較的安価な地域への短期旅行では、極端な高額補償は不要かもしれません。
アクティビティの有無:ダイビングや山岳トレッキングなど危険度の高いアクティビティを予定している場合、それをカバーできる保険を選ぶ必要があります。スポーツ・レジャー特約の有無や適用範囲を確認しましょう。アクティビティ三昧の旅で補償漏れがあると心配です。
家族構成(乳幼児・シニア同行):小さな子どもや高齢の家族と一緒の場合、彼らは病気になりやすかったりケガのリスクが高かったりします。小児医療の対応やシニア向けのサービスが手厚い保険、家族割引があるプランなどを検討すると良いでしょう。
持ち物の価値:最新のスマホや高級カメラ、ノートPCなど高価なガジェットを持参する場合、携行品損害の上限額が高めの保険を選びます。逆に貴重品をあまり持って行かない簡素な旅なら、携行品補償を最低限にして保険料を抑えることも一案です。
既往症の有無:持病があり旅行中に悪化しないか心配な場合は、その既往症に対する補償が得られるかがポイントです。一般的な旅行保険では対象外ですが、AIG損保など一部では出発前からの病気も一定条件で補償対象としています。既往症がある方は、事前に保険会社に相談して適切なプランを選びましょう。
これだけは外さない推奨ライン
プラン選びに迷ったら、以下の基準を最低ラインと考えると良いでしょう。
治療・救援費用はできれば無制限:保険会社やプランによっては治療費用補償が無制限に設定できます。難しければ最低でも3,000万円〜5,000万円以上を確保しましょう。実際、海外旅行保険で最も請求が多いのは治療・救援関連の補償であり、高額の医療費請求にも対応できる額が必要です。
キャッシュレス提携医療機関の確認:主要都市にキャッシュレス治療対応の提携病院があるか、24時間日本語サポートに連絡すれば案内してもらえるかは重要です。保険加入後に届く案内やウェブサイトで、現地(セブ)の提携病院リストや緊急連絡先をチェックしておきましょう。
航空機遅延・手荷物遅延補償の条件:フライトの遅延補償が付いているプランなら、その支払い条件(金額や遅延時間要件)を確認します。例えば「6時間以上の遅延で〇〇円まで宿泊費補償」など。手荷物の到着遅延についても、補償があると現地で衣類等を購入する費用が出ます。
携行品損害の上限と対象外:携行品の補償金額はいくらまでか、自己負担額(免責)はいくらか、スマートフォンやパソコンなどは対象に含まれるか(別途特約が必要か)を確認しましょう。特に電子機器等は補償対象外のケースが多いので要注意です。
スポーツ特約の確認:スキューバダイビング等をする場合は危険活動に該当しないかチェックします。プランによっては水深制限や有資格者限定の条件がありますし、体験ダイビングは対象外の場合もあります。該当する場合は必ずスポーツ特約を付けておきましょう。
申込み方法とタイミング(How to Buy)
海外旅行保険への加入は、出発直前でも可能ですが、できれば余裕をもって手続きするに越したことはありません。ここではどこで契約できるか、そして購入手順と注意点を説明します。
どこで買うか
オンライン比較サイト・代理店サイト:複数の保険会社のプランを一括で比較できるウェブサイト(例:旅行会社や保険代理店の比較ページ)を利用すると、自分に合ったプランを探しやすいです。保険料や補償額を一覧でき、そのままネット申込も可能です。
保険会社の公式サイト:エイチ・エス損保や損保ジャパンなど各社の公式サイトから直接契約する方法です。ネット契約限定の割引(例:最大50%OFF)を提供していることも多く、お得に加入できます。スマホ対応サイトやアプリで申し込める会社もあります。
空港カウンター:主要な空港には旅行保険の即日加入カウンターがあります。英語や中国語など旅先のパンフレットも置いてあり便利ですが、出発当日だと時間に追われる可能性があります。またネット割引が効かないため保険料は割高傾向です。
通信キャリア等のワンタイム保険:携帯電話会社や旅行予約サイト経由で、手軽に短期の保険に加入できるサービスもあります。出発当日にスマホから申し込めたり、LINEで手続きできるワンタイム保険は利便性が高いです。ただし補償内容は限定的な場合もあるので詳細を確認しましょう。
申込フロー(一般的な手順)
海外旅行保険の申し込みは、ほとんどが以下のような流れになります。
渡航情報の入力:契約者情報および旅行の目的地、出発日・帰国日、旅行者人数などを入力します。渡航先によって保険料が変わる場合もあるため、正確に選択しましょう。
補償プランの選択:用意されたプラン(例:「充実プラン」「格安プラン」など)から希望のものを選びます。プラン内容をカスタマイズできる場合は、治療費用や賠償責任の金額を変更したり不要な補償を外すなど、自分に合った設計にします。
必要な特約を追加:基本プランに含まれていないオプション補償を付けたい場合、この段階で追加します。スポーツ・レジャー特約、航空機遅延補償、携行品の電子機器特約など、該当するものがあればチェックを入れます。
支払方法・証券の受け取り:クレジットカード払いが一般的ですが、保険会社によってコンビニ払い・振込などに対応していることもあります。支払手続き完了後、契約成立となります。保険証券(契約内容の確認書)はメールのPDFやアプリ上で発行されることが多く、必要であれば印刷しておきましょう。
開始時刻と時差の確認:保険の開始日時は日本出発に合わせて設定されます。現地到着が日本時間の深夜になる場合など、きちんと出発から補償が効いていることを確認しましょう。逆に帰国日も時差で前後するため、保険の終了日時に漏れがないか注意が必要です。
よくあるつまずき
出発当日申込の可否:基本的にネット契約なら出発日当日でも自宅を出る前まで申し込み可能です。しかし空港に着いてからだと慌ただしくなるので、前日までの加入が望ましいでしょう。
出国後の申込不可:日本を出発して海外に出た後では、日本の保険会社の海外旅行保険に新規加入することはできません。一度日本を離れると契約できないため、必ず出発前に手続きを完了させてください。
旅行延長時の再加入:予定より滞在が延びる場合、当初の保険期間が終了する前に延長手続きを取る必要があります。ただし延長できるのは通算で最長○日まで等、制限があります。延長不可の場合は一旦帰国扱いとして新たに保険に入り直す必要があります。
年齢制限・告知義務:高齢の方(例:一般には80歳以上など)は加入できない、または保険料が割増になるケースがあります。各社の年齢条件を確認しましょう。また持病や最近の通院歴について申込時に告知が求められる場合があります。虚偽なく正直に申告することが大切です。
徹底比較:日本で加入しやすい海外旅行保険プラン
日本で購入可能な代表的な海外旅行保険として、以下の4つのプランを取り上げます。それぞれ特長がありますが、まず重視すべき指標を押さえ、主な補償内容を比較してみましょう。
比較の見方(重視指標)
医療・救援費用の上限:ケガや病気の治療費・救援者費用の補償額。無制限に越したことはありませんが、プランによって上限が異なります。
キャッシュレス診療と日本語サポート:現地で立て替え不要で治療が受けられる体制があるか、24時間日本語で対応してもらえるかは重要なポイントです。
携行品損害・賠償責任:持ち物の損害賠償額や免責金額、個人賠償責任の上限額も比較します。高価品を持つなら携行品の上限額を要チェックです。
旅行の遅延補償:航空機遅延や手荷物の遅延への補償が含まれるか。ビジネス出張や乗継便がある旅行では重視したい項目です。
危険活動の補償可否:ダイビングなど危険とみなされるスポーツをする場合、特約でカバーできるか。各社で対応が異なります。
割引や申込のしやすさ:家族で加入する場合の割引、リピーター向けの割引、申し込みの利便性(アプリやLINE対応など)も選択のポイントです。
保険料の目安:大手かネット専業かによって傾向があります。1週間程度のアジア旅行を例に相対的な価格感を示します。
代表プラン比較表
項目 | エイチ・エス損保<br>「たびとも」 | 損保ジャパン<br>「off!(オフ)」 | 三井住友海上<br>「ネットde保険@とらべる」 | AIG損保<br>海外旅行保険 |
---|---|---|---|---|
治療・救援費用 上限 | 1,000万円〜無制限(プランにより) | 最大2,000万円程度(選択プラン次第) | 1,500万円前後(プラン例) | 無制限設定可(基本2,000万円) |
キャッシュレス診療 | ◯(LINE電話対応あり) | ◯(24時間日本語サポート) | ◯(24時間対応・提携病院あり) | ◯(世界55万ヶ所の提携先) |
携行品損害(上限・免責) | 30万円(免責3千円)※電子機器は特約 | 30万円(免責3千円) | 30〜50万円(免責3千円) | 20〜50万円(免責3千円) |
航空機遅延・手荷物遅延 | ◯(オプションで付帯) | ◯(パッケージプランで付帯) | ◯(プランにより付帯) | ◯(セットプランに含む) |
個人賠償責任 | 1億円 | 1億円 | 1億円 | 1億円 |
危険活動(ダイビング等) | 要特約(条件に注意) | 要特約(オプション対応) | 要特約(オプション対応) | 要特約(一部プランで対応) |
旅行取消・中断 | ×(補償なし) | ×(補償なし) | ×(補償なし) | △(特定プランで対応) |
既往症 | ×(持病は補償対象外) | ×(対象外) | ×(対象外) | ◯(31日以内の契約は補償※) |
家族割/リピーター割 | ◯(リピーター割引等あり) | ◯(ネット割引大、家族まとめ契約可) | ◯(リピーター割5%) | △(特になし) |
保険料感(短期1週間程度) | 非常に安い(業界最安水準) | 安め(割引後の保険料) | 中程度(ネット割引でお得) | 高め(充実補償のぶん割高) |
申込しやすさ | ◎(当日OK・PayPay支払可) | ◎(当日OK・WEB完結) | ◎(当日OK・スマホ簡単申込) | ◯(オンライン申込可) |
※AIG損保は保険期間31日までの契約に限り出発前からの病気(既往症)も補償対象とする特約があります。
エイチ・エス損保「たびとも」
特徴:H.I.Sグループの損保会社によるネット専用の海外旅行保険です。何と言っても保険料がリーズナブルで、例えば韓国3日間の旅行ならわずか870円~と業界最安水準の料金設定が魅力です。保険料を抑えたP1プランでも治療費用1,000万円の補償があり、最高プランでは治療費用無制限まで選択可能です。基本補償を必要十分に絞って低価格を実現しつつ、オプションで航空機遅延や電子機器補償も追加できます(スマホやPC等は標準では補償対象外ですがオプション加入でカバー可)。
メリット:オンライン契約に特化しており、出発当日でもウェブから申し込み可能です。支払いもクレジットカードのほかPayPay等に対応し、手続きが手軽です。緊急時の連絡は24時間対応の日本語デスクに加え、LINE電話でも受け付けており若年層にも利用しやすい工夫があります。またリピーター割引制度があり、2回目以降の利用時に保険料が割引になるのも嬉しいポイントです。
留意点:リーズナブルな反面、補償額を抑えたプランでは手厚さに限界があります。特に携行品補償は電子機器が標準では対象外となっているため、高価なガジェット類を持って行く人はオプション追加を忘れずに。また提携病院網は大手に比べると少ない傾向ですが、セブ市内の主要病院はカバーされています。万一提携外の医院で立て替え払いをしても、あとで請求すれば補償されます。
損保ジャパン「新・海外旅行保険【off!】」
特徴:大手損保の損保ジャパンが提供するネット契約専用の海外旅行保険です。最大の特徴は補償内容を自由に組み合わせられる「オーダーメイドプラン」に対応している点で、必要な補償だけを選んで契約できます。例えばクレジットカード付帯保険で不足する部分だけをoff!で補うといった柔軟な設計が可能です。パッケージプランも用意されており、その場合ネット割引で最大約50%以上保険料が割引になるお得さも魅力です。家族でまとめて契約もでき、人数分取りまとめて手続きできます。
メリット:国内大手の安心感があり、24時間365日の日本語サポートは非常に充実しています。「海外とらべるサポート」というサービスで、電話通訳やキャッシュレス医療手配、盗難時の手続き案内など幅広く対応してくれます。現地で困ったときにワンストップで相談できる心強さがあります。また出発日当日までネット申込OKで、自宅出発前であればギリギリでも加入できる柔軟さも便利です。
留意点:航空機遅延補償を付けたい場合は出発2日前までの申込が必要になるなど、いくつか制約があります。また2025年以降、一部ルール変更(長期旅行は31日まで等)が予定されており、最新の情報確認が重要です。基本補償額は必要十分ですが、無制限補償は設定がなく、治療費用は最大でも2,000万円程度なので、より手厚い補償を求める場合は追加特約を検討しましょう。
三井住友海上「ネットde保険@とらべる」
特徴:三井住友海上のインターネット契約専用プランで、書面契約に比べ大幅な保険料割引が特徴です(最大約69%OFFの事例あり)。補償内容はバランスが良く、治療費用1,000万~1,500万円程度、賠償責任1億円、携行品30万円(プランによって50万円まで)など標準的なセットを提供します。また、テロ等対応費用や緊急歯科治療費用など時代のニーズに合わせた補償項目も含まれており、幅広いリスクをカバーできるようになっています。
メリット:保険料の割引率が高く、特に家族や長期旅行では割安感があります。さらにリピーター割引(5%)制度があり、過去に利用したことがある人は優待を受けられます。24時間365日の日本語サポートも完備しており、大手ならではの信頼性と迅速な対応が期待できます。申し込みも出発当日の23:30までオンラインで可能と、うっかり忘れていても直前に手続きできる利便性があります。
留意点:他社のネット専用プランと比べると、補償額の自由度はやや少なめです。あらかじめ用意されたタイプ(プラン)から選ぶ形となり、治療費用無制限などの超手厚い設定はできません。また、スマホなど電子機器の補償はやはり特約対応になるため、高価品を持つ場合はオプション検討が必要です。総合的には平均点が高く、迷ったら選びやすい優等生的なプランと言えます。
AIG損保「海外旅行保険」
特徴:外資系のAIG損保(旧AIU保険)が提供する海外旅行保険で、プレミアムな補償内容が特徴です。治療・救援費用は基本プランでも2,000万円程度と高額で、オプションで無制限に設定することも可能です。さらに他社ではまず対象外の持病・既往症について、旅行期間31日以内の契約であれば発病時に補償対象になる特約があります。世界中に広がる医療ネットワークは圧巻で、約55万ヶ所の医療機関でキャッシュレス治療が受けられる体制を整えています。
メリット:なんといっても補償の手厚さで、万一の際の安心感は随一です。保険金支払い額が青天井に近いため、医療費が高額な国への渡航や、持病を抱えている方でも安心して旅ができます。24時間日本語対応の緊急センターはもちろん、各国にAIG提携スタッフがおりサポート体制がグローバルに充実しています。例えば入院時にはAIGが病院に直接支払いをしてくれるため、一切自己負担金なしで治療に専念できます。
留意点:一般に他社の同等プランに比べて保険料は割高になる傾向があります。充実した補償ゆえのコストと割り切る必要があります。またネット専用商品ではないため、ウェブ上で情報が少なく、代理店経由で詳細見積もりとなる場合もあります(2025年からオンライン契約サービスのリニューアルが予定されています)。補償内容が多岐にわたる分、すべてを理解するには約款をしっかり読むことも大切です。自分にとって必要な補償に絞って加入し、オーバースペックになりすぎないようにすると良いでしょう。
セブ旅行の実務に効く特約と注意点
セブ島ならではのアクティビティや旅行環境に即した保険特約や、気を付けたい点を整理します。事前に知っておくことで、現地で「しまった!」とならずに済みます。
マリン系アクティビティ
シュノーケリング:一般的にシュノーケリング程度であれば危険なスポーツとは見なされず、基本補償内でカバーされます。ただし深夜のシュノーケリングツアーなど特殊なケースでは保険会社に要確認です。事故の際は証明としてツアー主催者の報告書や写真等があるとスムーズです。
スキューバダイビング:保険各社で扱いが異なります。多くは水深〇mまでやCカード(ダイビング資格保持者)であれば補償対象とし、それ以上は特約が必要だったり対象外になります。体験ダイビングについては危険活動特約を付けないと補償されないことが多いので注意しましょう。セブで人気のファンダイブも、必ず事前に保険適用条件を確認してください。
カワサン滝キャニオニング:川下りや飛び込みを伴うアクティビティで、スリル満点ですがケガのリスクもあります。保険会社によっては「危険な運動」に該当する可能性があります。申し込む前に、その種のアクティビティが補償対象か各社の約款・特約リストを確認しましょう。
パラセーリング・バナナボート:マリンスポーツの一環ですが、これらは通常のレジャーとして補償範囲内の場合が多いです。しかし高速で引っ張られるバナナボートや高度のあるパラセーリングで事故が起きた場合、紛争となるケースもあるため、万全を期すなら危険活動特約を付けることをおすすめします。
移動と遅延・欠航
台風シーズンの遅延補償:6月~10月頃の雨季・台風シーズンには、フライト遅延・欠航が発生しやすくなります。旅行保険の航空機遅延補償があれば、〇時間以上の遅延でホテル代や食事代が補償されるため安心です。台風直撃で空港閉鎖となった場合など、想定外の足止めにも備えておきましょう。
乗継ミスの扱い:自分で手配した乗継便に遅れて乗り損ねた場合、その損害は原則自己責任です。航空会社は補償してくれません。旅行保険の「旅程変更費用特約」等があれば、別途発生した宿泊費や新チケット代を請求できる場合があります。ただ、すべての保険が乗継遅延をカバーするわけではないので、乗継便を利用する場合は対応する特約を検討しましょう。
手荷物遅延と生活必需品購入:成田からマニラ経由でセブに向かった際に荷物だけが別便になってしまう、といった手荷物遅延は意外と起こります。目的地到着後すぐに荷物が受け取れない場合、下着や洗面用具などの必需品を購入する費用をカバーしてくれる保険が役立ちます。手荷物遅延補償があるプランでは、購入した物品のレシートを保管しておき、後日請求しましょう。
携行品損害の落とし穴
盗難時の警察証明:ビーチで盗難被害に遭った場合、現地警察への届出が必須です。保険金請求には警察発行の盗難報告書(ポリスレポート)の提出が求められるため、その場で泣き寝入りせず必ず最寄りの警察署に行きましょう。報告書がないと保険金が支払われないので注意です。
レンタル品・ホテル備品の破損:借りたダイビング機材を壊してしまった、ホテルの部屋で誤って備品を破損した、といった場合は携行品損害ではなく個人賠償責任での補償になる可能性があります。自分の持ち物ではなく他人(レンタル会社やホテル)の持ち物に損害を与えたケースだからです。こうした事故の際は賠償責任保険の範囲で対応できるか、保険会社に相談しましょう。
現金・パスポート・データの扱い:現金そのものや航空券、パスポートなどの貴重書類、スマホのデータや撮影画像といった無形のものは、基本的に携行品補償の対象外です。パスポートについては再発行にかかった手数料や渡航費用が救援者費用で払われるケースもありますが、盗難に遭った現金や電子データそのものは保証されないと心得ましょう。
年齢・家族・妊娠・既往症
乳幼児・高齢者の加入:小さなお子さんやお年寄りを連れて行く場合、保険料が年齢に応じて割増になったり、補償上限が低めに設定される場合があります。例えば乳幼児は死亡保険金がでなかったり、高齢者は治療費用が一定額までしか付けられない等です。加入できる年齢の上限(多くの保険で80歳前後)もあるので、該当する場合は早めに確認しましょう。
妊娠中の旅行:妊婦の方は、旅行保険でカバーされる範囲が限定的です。妊娠自体は病気ではないため、正常分娩にかかる費用は対象外となります。ただし妊娠中の急な合併症(例:切迫早産や妊娠高血圧症など)は発生時期によって補償される場合もあります(妊娠◯週未満までなど条件あり)。保険契約時に妊娠していることを伝え、適合する特約があるか確認してください。
既往症がある場合:持病がある方は、その持病に関する治療費は通常補償されません。ただし既往症特約を付けられる保険会社(AIG損保など)では、一定条件下で持病の悪化も補償対象になります。申込時の告知義務を正しく行い、持病に対応する保険かどうか必ず確認しましょう。
購入ステップ詳細(画面に沿って迷わない)
実際の申込み画面で迷わないよう、一般的なオンライン加入のステップを具体的に追ってみましょう。
ステップ1:旅程と人数の入力
まず保険申し込みサイトで旅行情報を入力します。行き先(国名や地域)、出発日と帰国日、旅行目的(観光・留学など)、そして加入者(被保険者)の人数と年齢帯を選択します。保険料はこの旅程情報によって自動計算されます。ポイント:出発日や帰国日を間違えないように注意し、現地到着日や時差も考慮して入力しましょう。
ステップ2:基本プランの選択
次に提示される補償プランから希望のものを選びます。多くの場合、「充実プラン」「標準プラン」「節約プラン」など複数のプランがあり、治療費用や賠償責任の額が異なります。自分に必要な補償額のプランを選択しましょう。ポイント:各プランの詳細内訳(治療費用〇〇万円、携行品〇〇万円など)をよく見比べ、自分の旅行に足りるか判断します。
ステップ3:必要な特約を追加
基本プランを選んだ後、オプション特約を追加できる画面があります。例えば危険スポーツ特約(ダイビング等をカバー)、航空機遅延特約、携行品の高額特約(電子機器補償を拡充)など、心当たりがあればチェックを入れます。ポイント:特約を追加すると保険料も上がるため、本当に必要なものだけを選びましょう。迷った場合は、「自分がそのリスクに遭遇したとき保険なしで払えるか?」を基準に判断すると良いです。
ステップ4:支払い・証券の受け取り
プランと特約を決め終わったら、支払いに進みます。クレジットカード番号を入力してオンライン決済するのが一般的ですが、会社によってはコンビニ払いなども選べます。支払い完了と同時に契約成立となり、登録したメールアドレスに電子保険証券(PDFファイル)や契約内容の確認ページURLが届きます。ポイント:メールが届いたら内容を必ず確認しましょう。保険証券番号や緊急連絡先、補償の開始日時など大事な情報が載っています。スマホにPDFを保存するか印刷して、すぐ取り出せるようにしておきましょう。
ステップ5:サポート連絡先をスマホに保存(紙も印刷)
最後に、万が一に備えて保険会社の緊急連絡先をスマホの連絡先やメモ帳に控えておきます。保険証券に記載の24時間日本語サポートの電話番号、契約者氏名・証券番号をメモしておくと慌てずに済みます。また電池切れ等に備え、紙に書き写してパスポートと一緒に保管しておくと安心です。ポイント:同時に、現地の日本大使館や病院の連絡先もメモしておくとより万全です。
いざという時の対応(請求フローと連絡先)
旅行中に実際に事故やトラブルが起きてしまった場合の対処法と、保険金請求の流れを解説します。冷静に対処するために、事前に手順を頭に入れておきましょう。
緊急時の初動
旅先でケガをしたり急病になった場合、まず保険会社の緊急受付デスクに連絡しましょう。多くの保険会社は24時間365日、日本語で電話対応してくれます。症状や状況を伝えると、提携する最寄りの病院を案内してもらえます。キャッシュレス対応病院であれば、保険証券番号を伝えるだけで治療費の立替なしに受診可能です。もし近くに提携病院がない場合でも、指示に従ってまず治療を受け、自費で支払った領収書や診断書を必ずもらってください。後日それらを提出すれば払い戻しが受けられます。緊急時は焦りますが、連絡⇒指示に従い受診⇒書類保管の流れを忘れずに。
盗難・破損・遅延時の証明書類
トラブルの種類ごとに、後日の保険請求に必要となる書類があります。代表的なものを挙げます。
盗難に遭った場合:現地警察発行の**ポリスレポート(盗難証明書)**が必要です。財布やスマホを盗まれたら必ず警察に届け出てレポートを受け取りましょう。
手荷物の破損:航空機利用中にスーツケースが壊れた場合などは、空港で**Property Irregularity Report(PIR)**という事故報告書を作成してもらいます。航空会社のカウンターで申告しましょう。
航空機遅延:搭乗予定便が大幅遅延・欠航した場合、航空会社発行の遅延証明書が取得できます。空港スタッフに依頼してください。また振替便の搭乗券半券なども保管します。
手荷物到着遅延:目的地に荷物が届かなかった場合、空港で手荷物不着証明(PIR)をもらいましょう。さらに現地で日用品を購入した領収書も保管します。
旅行キャンセル:自己都合で旅行を中止した場合は補償対象外ですが、家族の不幸や自身の入院などやむを得ない理由でキャンセルした場合、その証明書(診断書や死亡診断書等)と旅行会社の発行するキャンセル料明細が必要です。
帰国後の手続き
日本に帰国したら、速やかに保険金請求の手続きを開始します。多くの場合、以下の流れになります。
必要書類の準備:保険会社指定の保険金請求書(ウェブからダウンロード)、医師の診断書、領収書、各種証明書類(上記で集めた警察報告書や遅延証明など)を用意します。
保険会社へ提出:郵送またはオンラインアップロードで書類を保険会社に送ります。提出先や方法は保険会社の案内に従ってください。
問い合わせ窓口:提出後、不備や追加質問がある場合に備え、担当部署の連絡先を控えておきます。進捗状況を確認したいときも連絡できます。
保険金の受取:請求内容が認められれば、指定した銀行口座に保険金が支払われます。所要時間は書類提出後から通常数週間程度です。
注意:請求書類に不備があるとその分支払いが遅れます。不明点は提出前に問い合わせて確認しましょう。また、保険金請求には時効(一般に事故発生日から3年)がありますので、できるだけ早めに手続きを完了させてください。
ケース別おすすめ構成(例)
旅行者のプロフィールや旅行内容によって、適した保険の構成は異なります。いくつか代表的なケースを想定し、どんな補償に重点を置くべきかを例示します。
夫婦+未就学児、3泊4日・アクティビティ軽め
プロフィール:30代夫婦と幼児の家族旅行。観光とビーチ遊びが中心で、激しいアクティビティは予定していない。
おすすめ補償構成:家族全員が安心して旅行を楽しめるよう、治療・救援費用は高めに設定しましょう。子どもは体調を崩しやすく、高熱で病院に行く可能性もあります。できれば治療費用無制限、少なくとも1人あたり2,000万円以上のプランを。次に航空機遅延と携行品は基本的な範囲でOKです。今回は日程も短く荷物も少ないため、過度に高額な補償は不要でしょう。ただし賠償責任は万一子どもが店の商品を壊した等の場合に備え、1億円程度の標準的な額は確保。家族向けプランで加入すれば保険料も割安になるので活用してください。
大学生グループ、海アクティビティ多数
プロフィール:20代の友人グループ4人。シュノーケリング、アイランドホッピング、ダイビングなどマリンスポーツ三昧の計画。
おすすめ補償構成:まず危険活動特約は必須です。特に体験ダイビングを行う場合、無特約では補償されないケースが多いため全員分付けましょう。また賠償責任も手厚く(できれば無制限、最低1億円)設定します。グループ行動では他人に迷惑をかける事故も起こりやすいためです。携行品損害もカメラやスマホなどの水没・破損に備えて上限額を高めにしておきましょう(免責もゼロに近いプランが望ましい)。治療・救援費用は基本プランの標準額(1,000万〜2,000万円)でも良いですが、離島での怪我に備え救援者費用も十分にあるプランを選ぶと安心です。
60代ご夫婦、ゆったり観光中心
プロフィール:60代夫婦のセブ旅行。マリンスポーツはせず、リゾートホテルでの滞在と市内観光がメイン。健康不安は特になし。
おすすめ補償構成:重点は緊急時のサービス体制です。高額医療費よりも、いざという時確実に日本語でサポートを受けられる保険会社を選びましょう。具体的にはキャッシュレス診療提携が整ったプランで、24時間日本語窓口の評判が良いところがおすすめです。治療・救援費用は念のため高め(無制限理想、最低でも3000万円以上)に。携行品はそこまで高額な物を持たないなら最低限で構いません。賠償責任は1億円程度あれば十分でしょう。またクレジットカード付帯保険があれば、それと補償が重複しないよう不足部分のみ補う契約にするのも賢い方法です。
出張+週末延長(年3回以上)
プロフィール:仕事で年に数回セブを訪れ、そのついでに週末観光も楽しむビジネスパーソン。1回の渡航は5日程度を想定。
おすすめ補償構成:この場合、毎回単発の保険に入るより年間契約型の海外旅行保険を検討しましょう。年3回以上海外に行くなら、年間保険の方が割安になることがあります。補償内容は遅延・携行品・賠償をバランスよく。仕事での渡航なのでスーツケース遅延で仕事道具が届かないと困りますし、出張中のトラブルで他人に迷惑をかけるリスクにも備えます。一方、医療費用は会社の海外出張保険やクレジットカード付帯でカバーされる場合もあるので、その場合は不足分だけ補う形でOKです。保険料は経費で落とせる可能性もありますから、総合的に安心できるプランを選んでください。
FAQ(日本人旅行者がよく聞く質問)
クレジットカード付帯だけで大丈夫?
回答:おすすめしません。クレカ付帯保険は補償額が低かったり対象外項目があるため、特に治療費用が数百万円程度では重篤なケースに対応できません。カード保険はあくまで補完と考え、足りない部分は別途保険でカバーするのが安全です。
医療・救援はいくら必要?
回答:行き先にもよりますが、可能なら無制限が理想です。難しい場合も**1億円(少なくとも5,000万円以上)**は確保したいところです。特にアメリカなど医療費が高額な国では、数千万円の請求が珍しくありません。セブ旅行でも、重篤な病気で日本へ移送となれば費用は膨らみますので、治療・救援費用はできるだけ上限の高いプランを選びましょう。
水中アクティビティはカバーされる?
回答:シュノーケリング程度なら通常カバーされますが、スキューバダイビングは特約が必要なケースが多いです。資格保持者限定で補償される場合もあります。バナナボートやパラセーリングは通常補償範囲ですが、念のため加入前に約款の「危険な運動」の項目を確認してください。
COVID-19関連は対象?
回答:はい、多くの保険会社で病気による治療費用として新型コロナウイルス感染症の治療費は補償対象です。ただし隔離による追加宿泊費や、渡航キャンセル費用については基本補償には含まれません(一部特約で対応する保険もあり)。渡航先の入国制限により帰国が延びた場合なども保険適用外となるため、コロナ関連では「治療費」に限定してカバーと思っておきましょう。
出発当日でも加入できる?
回答:できます。ほとんどのネット契約型保険であれば、出発当日の自宅出発前まで申し込み可能です。空港カウンターでも加入できますが、混雑や時間切れのリスクがあるので、できれば自宅でネット加入してから出発することをおすすめします。
出国後に加入は可能?
回答:できません。日本を出発してしまった後は、日本国内からの保険契約は原則として受け付けてもらえません。出国後に「やっぱり保険に入りたい」と思っても手遅れなので、必ず出国前に加入手続きを済ませてください。
既往症がある場合は?
回答:持病がある方は基本的にその病気に起因する治療費は補償されません。ただしAIG損保など特定の保険では既往症も補償される例があります。また持病が安定していても契約時の告知義務は守りましょう。告知しなかった持病に関する請求は認められない可能性があります。
子ども・高齢者の保険料は?
回答:一般に年齢が高いほど保険料は上がります。子ども(0~12歳)については大人と同額かやや安い程度ですが、死亡保険金が付かないなど補償が一部制限されます。高齢者(80歳以上)は加入できる商品自体が限られ、保険料も割増となります。各社の年齢区分を確認してください。
旅行を延長したら?
回答:予定より滞在が延びそうな場合、保険期間の延長手続きができるか速やかに保険会社に問い合わせましょう。保険期間中であれば所定の手続きで延長できる場合があります。ただし上限日数を超える延長はできないため、超過分は新規契約が必要になるケースもあります。重要:保険が切れる前に連絡することが条件です。
どの書類を保管すべき?
回答:トラブルが起きた際はとにかく書類はすべて保管が鉄則です。病院でもらう領収書・診断書、警察や空港でもらう事故証明書類、航空券の半券、ホテルのレシートなど、後で請求に使えるかもしれないものは捨てずに持ち帰りましょう。保険会社から請求時に「〇〇の証明を提出してください」と言われてから慌てないよう、念のため全部残しておくことが大切です。
用語集(日英対応)
治療・救援費用 / Medical & Rescue Expenses
海外旅行中のケガや病気の治療費用および救援者費用(家族の渡航費・捜索費など)をまとめた補償項目。Medical & Rescue Expensesと英訳される。
キャッシュレス診療 / Cashless Medical Service
保険会社が提携病院に直接支払いを行うことで、現地での治療費を立替払いせず受診できるサービス。Cashless Medical Service(キャッシュレスメディカルサービス)と呼ばれる。
携行品損害 / Baggage & Personal Effects
旅行中に携行している荷物や所持品の損害(盗難・破損・紛失)を補償する項目。Baggage & Personal Effectsと表現される。
航空機遅延 / Travel Delay
搭乗予定の航空機の遅延や欠航により生じた費用を補償する項目。英語ではTravel Delay(トラベルディレイ)補償。
賠償責任 / Personal Liability
旅行中に他人にケガをさせたり他人の物を壊してしまった時の法律上の損害賠償責任に対する補償項目。Personal Liability(パーソナルライアビリティ)と訳される。
免責 / Deductible
保険金を請求する際に自己負担となる金額や条件のこと。Deductible(デダクタブル)とも言い、例えば「免責1万円」は1万円までは自己負担という意味。
特約 / Rider, Endorsement
基本補償に付加して契約する追加オプション補償のこと。Rider(ライダー)やEndorsement(エンドースメント)と呼ばれる。
既往症 / Pre-existing Condition
契約前から被保険者がかかっている病気やケガ(持病)のこと。通常、Pre-existing Condition(プリイグジスティングコンディション)は保険の補償対象外となる。
迷った時の意思決定フローチャート
保険選びに迷ったら、以下の簡易フローチャートで必要な補償を洗い出してみましょう。
Q1. 海でのアクティビティ(ダイビング等)を予定している?
Yes → 危険スポーツ特約付きのプランを選びます(ダイビング中の事故も補償)。
No → 次の質問へ。
Q2. クレジットカード付帯保険の補償上限は十分か?
No → カードで不足する補償(治療費用や携行品など)を上乗せできる保険を検討。
Yes → 次の質問へ(ただし家族分はカバーされているか確認)。
Q3. 乗継便を利用したり台風シーズンに渡航する予定か?
Yes → 航空機遅延補償があるプランを選択。遅延時の宿泊費等がカバーされ安心。
No → 次の質問へ。
Q4. 高価な電子機器(カメラやPC等)を持って行く?
Yes → 携行品損害の上限額が十分高く、電子機器特約でカバーできるプランを選ぶ。
No → 次の質問へ。
Q5. 年3回以上海外渡航の予定がある?
Yes → 年間契約型(マルチトリップ)の保険を検討。総額で割安になる可能性大。
No → 単発の旅行ごとに都度加入でOKです。
上記の質問をすべてチェックしたら、自分に必要な補償が見えてきます。最後は予算との兼ね合いですが、「これだけは譲れない」という項目(例:治療無制限など)に合致するプランを選びましょう。
印刷して使える持ち物・連絡先チェックリスト
海外旅行前に準備しておきたい持ち物やメモ類のチェックリストです。必要に応じて印刷してお使いください。
保険証券(契約番号・緊急連絡先を書き出したメモ)
パスポート本体(有効期限要確認)とコピー(念のため2部以上)
クレジットカード(紛失・盗難時連絡先のメモ、カード裏面のコピー)
現地主要病院・日本大使館・警察の連絡先(住所・電話番号をメモ)
領収書保管用の封筒またはクリアファイル(現地で受け取った書類をまとめて保管)
上記に加え、渡航先のビザ情報や予防接種証明(必要な場合)、家族への緊急連絡先一覧なども用意しておくと安心です。
まとめ(最終アドバイスと次のアクション)
最後に、海外旅行保険選びに関する総括と、読者へのアクションプランです。
最低限の基準を満たすプランを早めに確保
保険料を惜しんで無保険で行くのはリスクが大きすぎます。少なくとも治療費用と救援者費用が十分なプラン(理想は無制限)に、出発前に加入しましょう。どの保険にするか悩んだら、本記事の比較表で気になるプランを絞り込み、公式サイトで詳細を確認してみてください。
渡航直前に補償範囲と連絡先を再確認
加入した保険の補償内容(特に自分が付帯した特約部分)を渡航直前にもう一度おさらいしておきましょう。スマホに緊急連絡先を登録し、保険証券PDFもオフラインで開けるよう保存を。家族や同伴者にも保険会社の緊急連絡先を共有し、いざという時すぐ対応できるようにします。
アクティビティ予約時に補償条件と免責を再確認
現地でツアーやアクティビティを追加予約する際は、自分の保険でその行為が補償されるか頭に入れておきましょう。ダイビングなら深度制限、レンタカーなら免責金額など、約款上の条件を満たしているか確認します。また事故防止のため、安全対策を怠らず行動することも大切です。備えあれば憂いなし、適切な保険でセブ旅行を存分に楽しんできてください!
付録:比較用メモ欄(プラン名/価格/医療上限/携行品/遅延/賠償/特約/備考) – 各プランの気になる点を書き出して比較検討に活用ください。
Cebu向け英語フレーズ集(保険利用時):
I would like to use cashless service. Could you contact my insurer?(キャッシュレスサービスを利用したいのですが、保険会社に連絡してもらえますか?)
My policy number is XXXXXX. The hospital is ___.(私の保険証券番号は〇〇です。こちらの病院名は〇〇です。)
I need a medical report and itemized receipt for insurance.(保険請求用に診断書と明細付きの領収書が必要です。)
注記:本記事の内容は2025年現在の一般的な情報に基づいています。具体的な保険料・補償額・条件は変更される可能性があるため、実際に契約する際は各保険会社の最新公式情報を必ずご確認ください。また、危険活動や既往症の扱いは会社ごとに異なります。重要事項説明書や約款・特約を熟読のうえ、適切なプランを選択してください。